当財団について

大阪腎臓バンクとは

公益財団法人大阪腎臓バンク設立の趣意

(腎不全に至る腎臓病)
糸球体腎炎、ネフローゼ、糖尿病を始め腎盂腎炎、膠原病のあるものは早期発見、早期治療が行われる現在においても完全治療が望めず慢性腎不全に移行し、末期には尿毒症を惹起して死への転帰をとる難病であります。

(末期腎不全患者に対する治療法)
腎機能の極度に低下あるいは廃絶した末期腎不全患者に対する治療法は、人工腎臓をはじめとする血液浄化法が代表的なものの一つであります。わが国では2017年には慢性血液透析患者数は334,505人となり、1年間で4,896人増加しています。大阪府においても、23,525名で毎年増加傾向にあります。血液浄化法に必要な人工腎臓は現在では種々の異なった種類の器機が開発されておりますが、それらの設備、治療費は極めて高価であり、治療従事者の不足、社会の協力態勢の低調さなどの理由による対策の遅れに対処するには、公益的な立場で広く世論に訴えると共に各般の協力を仰がなければなりません。
他方、末期腎不全患者の根本的治療法として腎臓移植があります。わが国における腎臓移植は年間1,700例に至りますが、欧米とは異なり献腎の提供が少ないのが現状であります。これは腎臓移植についての理解がゆきわたっていないことに最大の原因があります。また現在、大阪府の血液透析中の患者のうち686名が献腎提供があれば腎移植を受けたいと希望しています。このため腎臓移植についての正しい知識の普及をはかり、人間愛に基づく腎臓提供者の登録、腎移植希望者の登録、且つ両者の組織適合性検査結果をふまえたシステム化により著しく立ち遅れている腎臓移植を最善の形で普及させることが焦眉の急であります。以上、血液浄化法、および腎臓移植の両方の有機的、且つ総合的な協力体制のもとに多くの生命が救われ、あるいは社会復帰が可能となることは明らかであります。われわれはこのような実情にかんがみ、大阪府民の健康および福祉の向上に寄与するため、次の事業を行なおうとするものであります。

  • 腎不全予備疾患及び腎不全に関する学術調査、学術研究
  • 血液浄化法並びに腎移植に関する学術研究助成
  • 腎・尿路疾患研究に関する注目すべき業績に対する褒賞
  • 腎・尿路疾患の予防と治療、血液浄化法及び腎移植に関する知識の普及啓発
  • 死後の腎提供希望者の登録
  • 腎移植に関する組織型検査
  • 腎不全治療に従事する者に対する教育および訓練
  • 透析患者及び腎移植患者の社会復帰に対する協力
  • 血液浄化法及び腎移植に関する医師・医療機関相互の協力体制の樹立、海外諸団体との連絡および情報の収集
  • 臓器移植コーディネーターの設置及び臓器の移植に関する法律(平成9年法律第104号)に定める臓器の移植医療推進のための協力支援
  • その他この法人の目的を達成するために必要な事業

なにとぞ公益財団法人大阪腎臓バンクの趣旨に御協賛くださるようお願い申し上げますと共にご理解とご指導をお願いする次第でございます。

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